レティとシェラ -コイシイヒト ココロシラズ-

「レティとシェラ -コイシイヒト ココロシラズ-」

<story>

私はシェラから取り返した本を両手で抱えて、図書室へ続く廊下を歩いていた
重いなぁ、こんなに沢山の本をあそこまでよく運んだこと。ホントに好きよね、本
本を読み耽っていたあいつの綺麗な横顔を思い出して、胸が大きく波打った
ドキドキトマラナイ、顔が赤くなりそう
後ろから、あいつの呼ぶ声が聞こえてくるけど、顔を見られたくなくて歩き続けた

声が近くなってきて、さすがに無視し続けることも出来ずに立ち止まった
とたんに両脇から、にゅっと腕が突出て
抱えていた一番上の本を持ち上げると、そのままページをめくり始めた
「あぁ、これこれ。ひどいよ、レティ。これ読んでいたのに持っていくんだから」
「ちょ、ちょっとシェラ!こんなところで読まないでよ」
すぐ後ろから、シェラの息づかいが伝わってくる
とたんに顔が火を吹いた
手を払おうにも抱えている本のせいで、どうすることも出来ない
「ほら、ここ。いいフレーズなんだよ。レティも読んでごらんよ」
「もう、シェラ!ふざけないでっ!早くどいてよ」
けれど、言葉とはうらはらに、心は願っていた
・・・コノママ、トキガトマッテシマエバイイノニ・・・
シェラが使っているタイムの香りが、私の鼻と心をくすぐり続けていた

<comment>

「日のあたる場所」の続きの絵になります
ドキドキレティ、後ろから羽交い絞め状態です
シェラはこう見えて、精神的に子供で本さえ読めれば、幸せな奴です
レティのことはただの幼馴染で
子供の頃から変わることなく、甘えられるお姉さんとしか見ていません
ですので、意識せずにこんなことやってしまいます
レティはそれどころではありませんが・・・
彼女の恋が実るのは、まだまだ先のことになりそうです
可哀想に、レティ・・・
あ、本が前作と違うのは、ご愛嬌で


'05.06.20
Painter7.0/PainterClassic1.0




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